毎度の「旧作キットを見直そう」企画（←違う）。1976年秋に発売され、旧オオタキの大戦機シリーズの（図らずも）掉尾を飾った「名キット」です。

私自身は、このキットはこれまでずっと興味の対象外でした。偏（ひとえ）にヘルキャットと云う機体の色気のなさ故ですが、自称オオタキファンの端くれとして大変申し訳ないことでした。





正直に云いますが、見くびってました。そりゃまあそこそこに「いいキット」なんだろうけど、あの時代の、それもオオタキなんだから（＝タミヤやハセガワとは違うんだから）、あれこれ野暮なことを云っちゃ可哀想だよね、ちゃんと褒めてあげなきゃね、くらいに思っていました。

どういたしまして。
いや、掛け値なしでこれは凄くいいキットです。時代を超えたオオタキの大傑作です。44年間、このキットを一顧だにしなかった自分は大タワケでした。ごめんなさい。m(_._)mm(_._)mm(_._)mm(_._)mm(_._)mm(_._)m






シリーズ当初は弱点と云われた脚周りも充分な出来。車輪止めのオマケも心憎いサービスです。


最初に仮組みした時は、全然合わないキャノピーや素抜けの排気管に驚き途方に暮れます。しかし、それらさえクリアして組み上げていけば、正確なデッサンと切れのいいモールドが、ヘルキャットの巨体の迫力を余すところなく再現してくれます。





組み立て上要注意なのは、いくつかの理由で主翼が上反角不足＆逆ガル気味になること。気をつけたつもりでしたが、直しきれていません。反省反省。





-3型なので、塗装はトライカラーほぼ一択（初期のブルーグレーも味がありますが）。広大な主翼のヌリで楽しめます。





別売のデカールでVF-6のブラシウ中尉の乗機（1944年２月当時）にしました。直後にVF-16に移り、同年６月には一度の出撃で日本機６機を撃墜したという人で、両手の指を６本立てた有名な写真が非常にけったくそ悪い癪に障るのですが、まあそれより前の時期の機体らしいので、許すことにします（←何を）。





現行アリイ版の時価1,200円は発売当時の３倍。それでも他社の半額ですが、デカールが１種類に削減されていたり金型の劣化が伺われたりと、商品価値の低下が見られるのは残念なところです。ビギナーが１日で形にすることもできるし、マニアが真剣に腕を振るうに値する素性の良さも持っているキットなので、アリイさんには今後も大事に育ててあげて欲しいと思います。

くどめの製作記はこちら

(2020/06/14)

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